2014年8月28日木曜日

サプライチェーンマネージメントと社員教育~学習

今回は、ロジスティックスと教育の相関テーマで書いてみます。

サプライチェーンマネジメントとは一言で言うと、企業価値を高める事を大きな目的として製品の企画から調達、製造、販売、メンテナンス(回収)までを一つのシステムとして捉え最適になるように投資、運用していく考え方、と言えます。

物流という側面だけを見ると、物を運び保管する、という部分しか見えないので、配送費、保管費の低減や間違いを減らすマネジメントに躍起になります。しかし本来の全体システムという視点からすると過剰在庫によるキャッシュフローの停滞や欠品による機会ロスという視点があり、直接的な物流費用(配送や保管)よりも、大きな金額のロスとなっている可能性があるということです。

製品ライフサイクルというのがあって、市場で「価値が保てる期間」という意味なのですが、デジカメだとだいたい3ヶ月ぐらいのサイクルなので3ヶ月経つと次のモデルに変わります。そのような短い製品ライフサイクルの製品を日本からヨーロッパに向けて運ぶ最適解をどのように考えるのか?

船だと輸送そのものにおおよそ1ヶ月ほどかかります。港に到着してから物流センターに納めヨーロッパ域内に配送、店頭に並ぶ時間を考えると1ヶ月半。製品ライフサイクル3ヶ月なのに輸送で1月半も占めてしまいます。だったら飛行機にしたほうが良いという判断もできますが飛行機の輸送費は船と比べると非常に割高になってしまいます。

一部を船便、需要に応じて飛行機を使い、物流センターの場所をヨーロッパ域内で最適配置する。製品の企画段階から需要予測だけでなくこういったロジスティクスのタイムラインを考慮して、生産計画を立てる。例えばデジカメの外装の色で売れ行きが違うなら、場合によっては主要部品を運んでおきヨーロッパ域内で最終アセンブルするという発想もある。

サプライ・チェーン・マネジメントという全体システムの視点で見るには物理的な物流の費用に加えて、在庫や機会ロスという見えない部分も組み入れて考える必要があるということです。

さて本題です。

サプライ・チェーン・マネジメントを掘り下げて考えていく事は、組織のパフォーマンスを上げるという観点に置き換えれば私が今ディープルート社で取り組んでいる教育に非常に連携します。


サプライ・チェーン・マネジメントがどう関係するか?

組織が成果を上げるには組織を構成する各個人の学習がキーだと考えています。個人の学習があって次に組織の学習が起こり、成果を上げるアクションを生み出す。この学習がチェーン化している必要があるという考え方です。ラーニング・チェーン・マネジメントです。

例えば、企業研修を例に挙げます。
大手の研修会社や個人の研修講師まで様々なプログラムがあります。個々の研修が本当に効果を上げるのか?という検証は常にされています。それは本当に効果を生んでいるのか?という問いです。
外部流出するコストだけで、費用対効果を評価している企業は多いのではないでしょうか。

組織を全体システムとした場合、外部の研修だけでなく内部の教育にも目に見えないコストは掛かっています。同じコストを掛けるなら、本当に効果が期待できるように教育を改善する必要があると考えています。

教育から学習へ。私は個々の人の学習を促進し、組織への学習へと促進するラーニングチェーンを目指しているのです。研修など個々のアクティビティの品質を上げることも重要ですが、全体としての時間軸、空間軸から最適な学習チェーンを構築することも重要だと私は考えています。

私は、個々のアクティビティにも関わりたい気持ちもありつつ全体としての学習システムを目指します。

物流は現場の人の気持ちを積み重ね、一挙手一投足を積み重ね、巨大なシステムを構築していく一方で全体の大きなシステムから個々の仕組みの連携を配置していきます。

学習も同じく、現場の気持ちを積み重ね組織に繋げてゆくことと、一方で全体に最適な学習システムをマクロ的に構築していきたいと思っています。

最近思うのは、私はミクロもマクロも単体ではそれほど得意ではありません。おもしろネタは豊富ですがマーケティング講師の力量はある意味平均点以下です。

戦略コンサルティングについても私より優れた人は他にいくらでもいます。



しかし、ミクロとマクロを同時に見ながら実践指導を行い、

マネジメントで関わりながら現場を感じ取る、現場で関わりながらマネジメントを感じ取る、そして清濁併せ呑みこんで、一緒にベストプラクティスに向けて、仕組みを創りだすことが最強組織の基盤づくりには欠かせないのかなと。


一見、あまり関連づかない教育、学習とサプライ・チェーン・マネジメントというテーマですが、駆け出しの頃に勉強したサプライチェーンマネージメントをこの年になり、改めて俯瞰で考え直すと新たな発見がありました。




0 件のコメント:

コメントを投稿